2016年11月23日

第14章・一コマ絵を描いて描いて描きまくるという練習法

<第14章・一コマ絵を描いて描いて描きまくるという練習法>

漫画は、いくつものコマで構成されています。
そして、各コマには、「シチュエーションにあわせてキャラのポーズや構図を考えた絵を入れていく」事になります。

漫画でもし食べていく場合、前章で紹介した色々な方法をやるとともに、「一コマ絵」を描いて描いて描きまくる・・・・・という事を、毎日やるのをお薦めします。

これは「一コマ漫画(一コマだけで、オチがある漫画)」を考えて描くというのではなく、どういうシチュエーションでもいいので、ぱっと適当に状況を考え、それにあわせてキャラのポーズや構図を考えた絵をコマの中に描くのです。
この一コマ絵は、必ず毎回きちんとペン入れして、トーンも貼り、『漫画絵』として完成させてください。

例えば、とあるキャラ同士が会話している一コマだったり、戦いの途中の一コマだったり、おっさんが驚いてるだけの一コマだったり、キャラクターが泣いてるコマだったり、目元だけ描いてるコマ(ただしディテールはしっかり描く)だったり・・・・・と、色々なシチュエーションをぱっと考えだし、まるで「雑誌に掲載されている漫画の中の一コマを抜き取ったかのような」クオリティの高い1コマ絵を目指して描くのです。

キャラの外見については、その時その時適当に思いついた物でかまいません。
むしろ積極的にアドリブで色々なキャラクターを思いつき描くようにしましょう。
「なんか今日はセクシーな美人が描きたくなったからそういう女性を描く」というのでもよし、渋いおっさんキャラが描きたくなったのでおっさんを描く、あるいは子供の練習に小さい子を・・・という風に。
その時の気分で描くキャラの顔は適当に考えるようにすると、「色々なパターンの顔」の練習になりますし、描いてて楽しいでしょう。


また、キャラの絵を描くだけでなく、コマ内の空いたスペースに背景もきちんと描きこんだり、セリフの枠を入れる(セリフ自体は無し、あるいは適当なセリフでかまいません)と、より漫画のコマ絵らしくなります。
漫画のコマ絵では、セリフ枠と人物や背景絵の部分のバランスを取らないといけない事がよくありますが、この「一コマ絵練習」では、セリフ枠や背景もきちんと入れるようにすると、そういうのに慣れていくのです。


たまに、キャラは一切描かず、背景だけのコマ絵も描いて背景絵の練習もしたり、食事シーンの練習として、食卓に複数の人物が座って食事してるシーンや、机の上の複数の皿に盛り付けられた食べ物のアップの絵も描いてみると良いでしょう。
動物が登場しているコマ絵も描いてみたり。
キャラがアップの絵だけでなく、引き視点の絵で背景や小物と人物を配置した絵も何度も練習しておくと、そういうコマを描くのが苦手ではなくなります。
苦手な絵は、描かないとずっと苦手なままです。
例え結果がいまいちでも、へこたれず数多くこなして作画技術の向上に励みましょう。
一人で漫画を描く場合は、あなたがそれらを描けるようにならないといけないのです。
苦手だからと言う事で描くのを忌避していると、結局後で苦しむのはあなた自身です。


コマ枠の縦横比については、縦長の枠でも横長の枠でもかまいませんが、先にシチュエーションを考えた上で、コマの縦横比を考えた方がいいでしょう。
(漫画の作画においては、先にコマの形があって、そこに無理やり絵を入れないといけない事も度々ありますので、先にコマの形を決めて、そこに構図を考えて絵をねじこむ練習もたまにしてください。)
コマの形は、単純な長方形だけでなく、特定の辺を斜めにしたコマ枠にしたりも。

あと、色々な漫画を読めばわかると思いますが、一部のコマではキャラの頭部がコマをつき破ってコマ外に出ている、というのもあります。
これは漫画の一種の効果(キャラを目立たせる、キャラを背景から浮かびあがらせる、狭いコマでもうまい具合にキャラを大きめに入れられる、などなど)でよくやる事になるのですが、その時々で、コマの中にキャラをきっちり入れたり、頭部をはみださせたりしましょう。


構図については、色々な構図を試し、「この構図は中々使えるな」と思ったのは、後で何回も見返せるよう、特定のフォルダに絵をまとめておきます。


とにかく、「コマの中に絵を描く(=シチュエーションを適当に思いつき、それにあわせて、キャラのポーズや構図を考えて絵を描く)」という、『漫画の作画においては数え切れないほどやる事になる作業』を今のうちに毎日何回も繰り返して、『慣れる』のが漫画作画の上達につながるのです。


いちいちストーリーを考え、そのストーリーを各ページに割り振り、さらに各ページごとにコマを割り、そしてようやく各コマごとにシチュエーションにあわせてキャラのポーズや構図を考えた絵を入れていく・・・・・この練習方法だと、時間がかかりすぎて作画をあまりこなせませんし、気軽にできません。

一方、この「ぱっとシチュエーションを思いつき、それにあわせて一コマ分だけキャラのポーズ、構図を考えた漫画絵をしっかり描く」練習方法は、1回ごとにかかる時間は短めで、おかげで毎日数多くこなせるのです。


漫画の絵という物は、基本的に黒と白で構成されています。
そこに、網点で構成されたトーンや斜線、クロスハッチング、グレートーンなどを足して、中間色を追加します。

「主線の太さによる絵柄の違い」「線はどこにメリハリを入れるべきか?」「画面全体のコントラストをどうするか?(きつめ?ソフト?)」、「どこにどれくらいのトーンを使うのか?」「トーンの削り方による質感の違い」「この部分は黒ベタでいくのか?それとも斜線や掛け斜線(クロスハッチング)で表現するのか?それともトーンか?」など、色々な要素をその都度選びながら、独特の画風を構築する事になります。
その時々の選択によって画風は大きく変わり、それが作者ごとの絵の個性化につながっているわけなのですが、あなたが『自分の好みの画風』を手に入れるには、とにかく漫画絵を描いて描いて描きまくって数をこなさないといけないのです。

「ぱっとシチュエーションを思いついて描いた一コマ絵(ラフな下書きだけでなく、きちんとペン入れもトーン貼りもして完成させる)」の練習法は、画風の試行錯誤をより効率よくできる方法にもなっているのです。

枠のない白紙に、適当に考えたポーズのイラストを描く・・・そういう風な練習を繰り返すより、漫画の場合は「実際にコマの中にシチュエーションにあわせてキャラのポーズや表情、構図を考えて絵を入れる」という練習を数多くこなす方が良いのです。
漫画ではコマの中にキャラや背景やセリフ枠をバランスよく入れる必要がありますが、このバランス感覚については、実際に一コマ絵を何度も何度も描いて身につけるしかありません。


普段自分が描く画風をこの一コマ絵練習法で突きつめていくのもいいですが、たまに自分の画風とはまったく異なる画風を試してみると、より自分好みの絵柄を追求しやすくなります。
北斗の拳のような濃い絵柄だったり、萌え絵だったり、デフォルメされたキャラ絵だったり、色々な絵柄を楽しみながら試しましょう。
キャラクターの顔にしても、普段とはまったく違う目・鼻・口の位置や大きさのバランス、眼の瞳の描き方、まゆげの処理の仕方、鼻の描き方を試してみると、結構楽しいとともに、新しい発見があって、自分にとって理想の漫画絵がどんなものか、効率良く研究できるのです。


また、漫画のコマ絵においては、キャラクターの背景に特殊な処理をして、キャラの心情などを伝えるコマが度々あります。
例えば上下に流れる流線で勢いをつけたり、集中線を描いたり、特定の心情トーンを貼ったり、ガーゼブラシでモヤモヤした背景にしたり・・・・など挙げていくとかなり多くの背景効果があります。。
これらについても、この一コマ練習法で色々な『背景効果』を試して修得しましょう。


さらに、これを発展させた練習法として、「1ページ漫画練習法」というのがあります。

一コマ絵の練習法が、「ぱっと思いついたシチュエーションの一コマ絵を描く」のに対して、1ページ漫画練習法は、「まるで雑誌連載の漫画の中の1ページを切りとったかのような1ページ漫画を描く」のです。
『1ページでオチがつく漫画を描く』ではなく、途中から始まり次のページへ続いている1ページ漫画を描くのです。

例えば、激しい銃撃戦途中の1ページだったり、とある人物が登場して自己紹介してるだけのページだったり、何かから逃走途中の1ページだったり、家族で会話しながら食事をしてるもの・・・・など、色々なシチュエーショを適当に思いついて、内容にあわせてコマを割って、各コマに絵を入れていくのです。
これも、ラフな下書きだけで終わらせず、ペン入れ、トーン貼りをし、きちんと完成させます。

1ページ練習法の場合、1コマ練習法と違って6~8コマくらい描く事もあり、やや時間がかかってしまいますが、大小メリハリのあるコマの割り方や、テンポの取り方、視線誘導を考えた読みやすいコマやセリフ配置など、1コマ絵練習法だけでは修得できない色々な事の練習・試行錯誤ができます。


こういう風に、毎日『一コマ絵練習法』や『一ページ練習法』を数多くこなしていくと、効率良く漫画を描く力をどんどん高めていく事ができるのです。


次章・イラストで食っていこうとする場合やるべき事。
(クリックすると次章に進みます。)




posted by ミカエル at 19:42| Comment(0) | 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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