2016年11月25日

第58章・漫画を売るためにやるべきいくつもの事

<第58章・漫画を売るためにやるべきいくつもの事>

このブログでは、健康上の理由で外に働きにいけない方に、どういう仕事をして食べていくかをご紹介していますが、その中には「漫画家として食べていく」というのも挙げました。

もし漫画家として食べていくつもりの方は、その前に以下の漫画の一巻を読んで、「漫画家の厳しい現状」を知っておくことをおすすめしたい。


ナナのリテラシー(鈴木みそ)

「おとなのしくみ」や「あんたっちゃぶる」、「銭」、「限界集落温泉」などの鈴木みそさんが描いた漫画で、一巻では出版不況と、いかに漫画家としてやっていくのはきついかが描かれています。
(作中で登場する漫画家は、いちおうみそさん自身をベースとしたフィクションの漫画家ですが)


漫画家は、ものすごく売れている漫画家が一部いますが、実際は『頑張っているのに報われない』というケースが多く、「とりあえず漫画を出せば誰でも食べていける」という状況ではないのです。


多くの方がご存知のように、年々出版物の売り上げは低下していっています。
昔は電車の中などで漫画雑誌を読む人が多くいましたが、今は携帯やスマホなどに取って代わられ、時間潰しできる無料アプリも多々あり、そのせいで漫画に触れる人は減り、それに応じて雑誌やコミックの売り上げも低下していっています。
電子書籍市場は拡大を続けていますが、印刷物の売り上げ低下をカバーできるほどには成長していません。

通常の出版社から本を出すだけでなく電子書籍版も同時に出しても、多くの漫画家は思ったほどに本が売れず苦しんでいます。
ましてや、自己出版で電子書籍のみで漫画を出していく場合は、さらに厳しい状況になるでしょう。

漫画に限らず色々なジャンルで娯楽は世の中に溢れていて、「なんとなく面白い」程度の作品を出しても読者はつかめません。食べていけません。


・購入してくれた読者が満足できるような良い漫画を描く
・キャラかストーリーどちらかで強く惹きつけるような魅力ある作品を作る

をやるのは当たり前です。
一話一話が勝負だと思い、「いかに買ってくれた人を楽しませるか」に腐心して作品を作っていかないといけません。
以前の章で書いたように、「いかに読者を楽しませるか」を日々研究して作品の質を上げていく必要があります。

そして、そういう良い作品を作っただけでは、今の時代漫画は売れません。
というか、昔から「作品としては良かったのに、いまいち知名度が低くて売れずに終わった漫画」は世の中には沢山あるのです。

「魅力ある漫画を描く」と同時に、「その漫画の認知度を上げる方策をきちんと打つ」というのを欠かしてはいけません。
漫画家として食べていきたいなら、『この二つはどちらも欠かしてはいけない物』と肝に銘じてください。


漫画の知名度を上げる方法として作者が取れるのは「ブログでちょっとした短めの漫画を描いて不定期でアップし続ける」や「出すコミックの一部をブログなどで載せて読んでもらう」など、以前の章で紹介した方法があります。
漫画を気に入ってもらうには、やはり『読んで作品を気に入ってもらう』のが一番なのです。
無料で作品や作中のキャラに触れてもらえるような場を設けるべきです。
そういうのにブログを使わない手はありません。

また、最近は電子書籍市場で一部の漫画の一巻が100円くらいの激安価格だったり、期間限定で無料で配布される事もあります。
一巻を安く(あるいは無料で)配布するのは一見損をしているように見えますが、それによって作品に触れてその漫画を気に入ってくれる人を増やせるなら、その損は簡単に続刊の売り上げで取り戻せるのです。
また、安いからこそ通常の何倍も売れて、結局一巻だけ見ても作者の儲けは増える、という事もあります。
なお、一巻は期間限定といわず、ずっと安い値段で販売し続けた方がいいでしょう。

ただし、一巻だけでなく、何巻にもわたって漫画を期間限定で安く売るというのはやめておきましょう。
最近は、一部電子書籍サイトで、たまに複数巻にわたって安値販売セールをやってるのを見かけますよね。
「期間限定で、全巻がなんと50%や70%OFF!!」みたいに。

これをやってしまうと、すでに漫画を通常価格で何巻も買ってくれた読者に「損をした」と思わせてしまいますし、「今後この作者が出す漫画は、どれも後で安くなるんじゃないの?」と思われてしまい、以後出すコミックの売り上げを大きく落としてしまう事になりかねません。
安値販売で一時的に売り上げが伸びても、それで今後の売り上げを低下させてしまったら意味がないのです。
安く売るのは、シリーズ漫画の最初の一巻だけにしておくべきです。

一巻を無料や安く配布する以外にも、その漫画がこち亀などのように一話完結で構成されているような漫画の場合は、漫画の販促のためにより抜きのエピソードを集めた巻を出し、それを「お試し版」や「選り抜き版」という形で無料や100円という安い価格で配布するのもいいでしょう。
続き物のストーリー漫画でも、箸休め的なエピソードがあるでしょうから、そういう部分をまとめた巻を安く(あるいは無料で)出してキャラを気に入ってもらうのでもいいでしょう。
(できれば巻末に、映画のプレビュー版みたいに、カットを寄せ集めて本編ストーリーやキャラをダイジェストで紹介するページも収録しておくとコミックの販促になるかと)

選り抜き版を出す場合は、すでにコミックを買ってくれた人が間違って買わないよう、「この巻はより抜き版です。内容の一部は既刊と重複しています。」という商品紹介は忘れないようにしてください。


以前の章でも紹介しましたが、漫画を出す場合、1巻で終わる単巻型の漫画を何冊も出していくよりも、同じキャラが何巻にも渡って登場する通常の続き物の漫画を出す方が、本は売れるのです。

夕凪の街 桜の国
星守る犬

のように、単巻型作品でも売れた漫画もありますが、こういうのは基本的にキャラが一冊ごとにリセットされるため、以後に出す別作品の売り上げ増にはあまりつながりません。
(もちろん、これらの作品を読んで作者の別作品に興味を持って買った人もいるでしょうが)

何巻も続いている作品の方が、色々なエピソードでキャラをより気に入ってもらえますし、一度キャラにはまった読者は続刊を望んで買ってくれるのです。

漫画で食べていきたいなら、ストーリーで楽しませるのも大事ですが、いかに魅力あるキャラ・エピソードを盛り込むかに特に力を入れた方がいいです。
キャラにはまった人は、その漫画の絵を描いてブログや絵投稿サイトなどでアップし、より多くの読者を呼び寄せてくれたりもするのです。
魅力あるキャラにするには、「外見」「言動」だけでなく、いかに作中にそのキャラを親しませるエピソードをきちんと盛り込むか、そのエピソードが読者の心を動かすかが大事です。


このような感じで、漫画で食べていくつもりの方やすでに今現在漫画家として頑張っている方は、『作品の質向上』に気を配るのと同時に、『その漫画を売るためにできる事は全てやる』ようにすべきです。

雑誌連載作品の中には、出版社に本を売るのをまかせっきりで、漫画家自身はブログなどを有効に活用していないケースを多々見かけます。
本を一冊でも多く売るために、ブログの方で漫画の一部を読ませたり、描きおろし漫画やイラストを不定期にアップし続けたり、出版社に「電子書籍版の一巻だけ安く売って作品を気に入る人を増やせないか」と話を持ちかけるべきだと思うのです。

ましてや、出版社に頼らず個人で漫画を出して食べていく場合は、もっとそういう事にきちんと気を配らないと食べていけません。

次章・作品には、『人の心を動かす何か』をきちんと盛り込むべし
(クリックすると次章に進みます。)





posted by ミカエル at 11:45| Comment(0) | 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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